CONTENT コラム・フォトレッスン

月と星の表現方法

 日没後の月を舞う雪とともに写す

月や星の撮影はコツさえつかめばそう難しいものではありません。

ポイントはブレないように三脚を使うこと。

そして、出来上がりのイメージをしっかりと持つことです。

月を幻想的に写す

星に比べて明るい月は、AF(オートフォーカス)でピントが合い
ふだんの風景撮影と同じように絞り優先モードで撮影できます。

基本的な月の撮り方

使うレンズは月を大きく写すために望遠レンズを使うと良いでしょう。
広角レンズや標準レンズで撮影すると、思ったより月が小さく写ります。

ISO感度は100〜200くらいが、ノイズも少なく月の撮影に適しています。
絞り値をf5.6〜8程度に設定し、ピントを月に合わせてシャッタースピードを確認します。
シャッタースピードが1/100秒よりも遅くなるようでしたらブレて写りますので
ブレないように三脚を使います(この時、手ブレ防止機能を必ずOFFにします)。
三脚使用の時は、シャッターを切るのにレリーズかリモコンを使いましょう。

満月の撮影では、月が明るく写りすぎて、表面の模様が飛んでしまうことがあります。
そのようなときは、露出補正をマイナスにすることで月の模様が写るようになります。
 

幻想的な写真に

真っ暗になってからの撮影では、黒い背景に月が写っているだけの
単調な写真になってしまいます。
日没後から空が暗くなるまでの間の時間帯を狙いましょう。
オレンジ色やきれいな紺色の空を背景に月が写ります。

また、前景をうまく入れると臨場感が出てきます。
この時は、それほど望遠のレンズを使わなくても良く
景色と月とがバランスよく写るように構図を考えます。
そしてホワイトバランスを工夫し、好みの色調に仕上げます。

星の撮影はピント合わせがポイント

微かな光の星は、AF(オートフォーカス)ではピント合わせが難しく
MF(マニュアルフォーカス)でのピント合わせとなります。
ここが星の撮影のいちばん難しいところですが、がんばってコツをつかんでください。
三脚にカメラを固定したら、カメラ背面の液晶モニタに星を拡大して映し出します。
比較的明るい星を選んで拡大すると、ピントが合わせやすくなります。
レンズのピントリングをゆっくり回して、星が点像になるように合わせていきます。

見た目のままの星空を写す

空を広く写すために広角レンズを使います。
カメラの撮影モードはマニュアル(M)モードにして
絞りとシャッタースピードを自分で設定するようにします。
星は動いて見えるので、星を点として撮影するには10秒から30秒くらいの
シャッタースピードで撮影します。
そしてレンズの絞り値は、できるだけ小さな値(f2〜4)にします。
暗い星まで写すには、高めのISO感度が良く、1600〜3200程度が適しています。

目で見ても星がたくさん見える場所で、
しっかり三脚を使って撮影すれば、この設定で星空が写ります。
星空が明るくなりすぎるようでしたら、シャッタースピードを短くするか
ISO感度をより低い値に設定するとよいでしょう。

星の軌跡を線で写す方法

露出時間を長くすると、星が動いた軌跡を写せます。
北向きの空では北極星を中心に同心円状に、
東や西向きの空は星が斜めの線になります。

ピントをしっかりと合わせた後、シャッタースピードをバルブ(B)にして
レリーズを使い、絞り値はf2〜4、シャッターを20分〜60分開けっぱなしにします。
長い時間をかけて光を取り込むので、ISO感度は200〜400程度に設定します。

前景や撮影場所が比較的明るい場所では
比較明合成(ライブコンポジット)機能を使います。
短い露出の写真をつなぎわせて、星の軌跡を描いていく方法です。
前景がちょうどよく写るシャタースピードと絞り値(小さめ)を設定してから、撮影を開始します。
この場合もトータルの露出時間は20分〜60分くらいが適当でしょう。
ISO感度は100〜1600の間で試してみてください。