CONTENT コラム・フォトレッスン

雪を写すテクニック

降る雪が主役になるようにピントを合わせる 

北海道ならではの一面真っ白な雪景色としんしんと降り続く雪。

ここでは降る雪を写真に写すテクニックを紹介します。

速いシャッタースピードで雪を止めて写す

降っている雪を止めて写すには、ピントの合わせ方と
シャッタースピードの設定が大事なポイントになります。

ピントを降る雪に合わせる

ピントを遠くの風景に合わせると、同じように遠くに降っている雪にピントが合います。
遠くの雪なので粒が小さく写りすぎて、わからない状態になります。
降っている雪がわかるように写すには
マニュアルフォーカス(MF)で手前に降っている雪にピントを合わせます。
遠景がボケることで、ピントが合った近くの雪が見えるようになります。

広角レンズよりも背景がボケやすいので望遠レンズを使った方が写しやすくなります。
ピントリングを回し、遠景から近景に焦点が合うように変えていくと
降る雪が浮かび上がって見える場所があるはずです。

白でないものを背景に

雪が止まって写っても、背景が雪と同じ白では
降っている雪は写っても、背景と同化してしまい区別がつかない状態になります。
やや濃い目の色調が背景にあると、雪が見えてきます。
木立や街並みなど白以外のものを背景に選びましょう。

また、雪の降り方が少ないと、雪は思ったほどには写りません。
「こんなに降っている中、カメラを出して大丈夫?」くらいの降り方がベストです。
もちろん、カメラが雪で濡れないように、小さめのタオルを
カメラとレンズの上に広げるのを忘れないようにしましょう。

絞りとISO感度でシャッタースピードをコントロール

露出モードは絞り優先またはマニュアル露出モードを使い
雪が止まって写る1/500秒より速いシャッタースピードになるように
絞りの値とISO感度を設定します。
背景はボケた方が手前の雪が引き立ちますので絞りの値は小さめに
そしてシャッタースピードが1/500秒より遅くなる場合はISO感度を高くして
雪が止まる速度になるようにします。

具体的には、曇天での雪降りの場合は
絞り4〜5.6でISO感度を200程度に設定すると
シャッタースピードが1/500秒くらいになります。
(光の状況により値を加減してみてください)

ストロボ(フラッシュ)の光で雪を写し込む

雪が降る中、ストロボ(フラッシュ)を発光させると、
雪の光が反射して降っている雪が幻想的に写ります。

ストロボ光に当たった雪が前ボケに

辺りが薄暗くなってくると、ストロボ(フラッシュ)で降る雪を玉ボケにするテクニックが使えます。
雪が降っている中、内蔵ストロボをポップアップして強制発光させると
カメラの前に降っている雪にストロボ光が当たり、雪が写ります。
この時、ピントを遠いものに合わせておくと、光った雪は玉ボケとなり幻想的な雪景色になります。

外付けの大きな光量のストロボを使うと、より雪がたくさん写りますが
雪が多く降っている中では、内蔵のものでも十分効果があります。
絞り値は小さめに(絞り開放)にすると雪の玉ボケは大きくなります。
また、広角よりも望遠レンスの方がこのボケはより大きくなります。

ストロボ(フラッシュ)モードはスローシンクロで

このとき、ストロボの発光モードをスローシンクロモードにします。
そうすることで、背景も暗くならずにきれいに写ります。
スローシンクロモードとは、ストロボ光が届かない背景を
ストロボ発光 プラス スローシャッターにすることで暗くならないように写せる機能で
他にも夜景背景に人物を写すときなどに使うテクニックです。
シャッタースピードが極端に遅くなると、カメラブレが起きてしまいますので
その場合は、三脚を使うか、ISO感度を上げることで、ブレないように対応しましょう。