CONTENT コラム・フォトレッスン

コスモスを撮る

夏から秋にかけての代表的な花、コスモス。
風に揺れる可憐な姿は、広い花畑を撮っても、部分的に狙っても良く、様々な撮り方でアプローチできます。
ここでは、コスモスの撮影のポイントを解説していきます。

レンズの使い分け

広角レンズ(または標準ズームの広角側)、望遠レンズ(望遠ズーム)のどれを使うかによって、出来上がりの表現が大きく変わってきます。どのようなイメージで撮りたいかを決め、使うレンズを選びます。また、ボケをコントロールしたい場合は基本的にカメラの撮影モードは絞り優先モードに合わせます。

広角レンズで撮る

広角レンズを使うと背景が広く、遠近感が強調されます。
心地よい青空や咲いている場所の雰囲気を大きく入れて写したい時は広角レンズ(標準ズームの広角側)を使います。背景のボケ具合は絞りで調節します。そして大事なポイントは
花の大きさはカメラを近づけることで調節するということ。大きく写したければ、ズームをいちばん広角側にしたままカメラを花に近づけます。レンズのズームを動かしてしまうとせっかく広く入った背景が狭くなってしまいます。
そして、背景のボケ具合は好みで決めましょう。ボカしたければ絞り値を小さく、逆にはっきりと写したければ絞り値を大きくします。

望遠レンズで撮る

望遠レンズを使うと背景が大きくボケます。
望遠レンズ(望遠ズーム)では、絞り値を最小にすることで、広角レンズでは得られなかったボケが表現できます。背景のボケだけでなく、ピントを合わせた花より手間の花は「前ボケ」となって背景ボケとは違う雰囲気のボケを演出します。ポイントは
手前の花ではなくちょっと遠くの花にピントを合わせることです。遠くの花にピントを合わせることで、手前の花がボケて前ボケができてきます。前ボケになる花はできるだけレンズのすぐ前、そして背景は遠くになるような位置関係の花を選びます。
レンズの手前の前ボケになる花、そして少し先にあるピントを合わせる花、さらに遠くの背景、この3つが直線で並ぶように配置するのがコツです。ファインダーをのぞいて探すのではなく、実際に目で見てこの位置関係にある花を探します。
前ボケを入れる場合、オートフォーカスでは、目的の花にピントが合いづらくなりますので、マニュアルフォーカス(MF)に切り替えてピント合わせをするのが良いでしょう。

光を見極める

晴れた日と曇りの日とでは光の状態は全く異なります。天候によってそれぞれの特徴を活かした撮影を考えていきます。

晴れた日は逆光で

太陽を正面にして撮影すると花の透明感が出てきます。
広角レンズでは思い切って空と太陽を入れる構図も良いでしょう。逆光での撮影は花が暗く写ってしまうこともあるので、そのような場合には露出補正をプラスにします。逆にマイナス補正で光を強調する写し方もあります。望遠レンズでは、影になった暗い部分を背景にすると主役の花が引き立って見えます。
また、ホワイトバランス補正の設定も重要で、日中の撮影でも、曇りや日陰に設定して、少し赤みが強く出るようにすると秋らしい光を表現できます。

曇天は大きくプラスの補正で

曇った日は空がグレー色に写り、暗い雰囲気になってしまいがちです。思い切ったプラス補正で空が真っ白に写るようにすると明るい雰囲気になります。
また、曇り日は日向日陰ができないので、全体的に柔らかいコントラストや色調で表現できます。